FM-7の全体像

Fujitsu Micro 7 (以下 FM-7)は、FM-8の後継機種として1982年に 発売されました。
価格はFM-8の約1/2となり、また、その名の示す通り、 FM-8の下位機種としての位置づけでしたが、 処理速度の大幅な高速化、サウンド機能の追加がなされ、 削除された機能はバブルカセットのみであり、 実質的にはワンランク上のマシンとなっています、
私がこれを入手したのは平成7年の冬であり、本格的に使ったことはありませんが、 昔他人の家で何度か使ったことがあります。

それでは分解してみましょう。


内部の様子

まず本体上部の小さい蓋が、螺回しなしで簡単に外れます。 これを外すと拡張用スロットがあり、2枚の基板がささっています。 これを外してみます。

上の基板は何かは分かりませんが、EPSONと書いてあり、かつ裏に コネクタがあることから、プリンタインターフェイスボードであると 思っていたのですが、実際は当時エプソンが発売していたTF10 というフロッピーディスクドライブを接続する為のインターフェイス カードである旨のメールを戴きました。
下の基板は、漢字ROMボードで、JIS第1水準の漢字+非漢字の計3418文字が 収められています。

本体のカバーは螺2本を外すだけで簡単に外すことができます。 簡単に分解できると言うことは逆に簡単に組み立てられることを 意味し、作る側にも使う側にもメリットがあると言えると思います。
キーボードは、シリンドリカル・ステップスカルプチャータイプとなっています。 横からみるとキーの表面の角度が各列ごとに違い、 曲線を描く形になっています。今では当り前すぎて、 こんな言葉は死語になってしまいましたが、 当時はこのようなことが画期的なこととして強調されました。

キーボードもこれまた簡単に外せます。 メイン基板とはフラットケーブル1本で接続されています。
メイン基板はアルミニウム製の箱でシールドされていますが、 小さい基板がその表面に出ています。

これがその小さい基板の拡大図です。中央のAY-3-8910という名のICは、 サウンド用のICで、PSG (Programable Sound Generator)とも呼ばれます。 3声の音楽演奏とノイズ発生機能が備わっており、FM-7の他、MB-S1, MSX, X1 等当時のさまざまな機種に採用されました。

これがメイン基板の全体図です。大きさはレベル3の基板の約1/2です。

これはCPUです。「究極の8bit MPU」6809の高速バージョンである68B09が 用いられています。富士通は自社でもこのCPUを作っていたはずなのですが、 なぜか本家モトローラ製のCPUが載っています。

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